フリークライミングって何?ボルダリング編

自分の経験に則っての簡単な説明です。
「ボルダリング」「リードクライミング」「トップロープクライミング」等を総称してフリークライミングと呼びます。
ボルダリング聞いて「?」となる人は多いですが、ロッククライミングと聞くとイメージが浮かぶ人も多いのではないでしょうか。「あぁ、ミッションインポッシブルでトム・クルーズが…」これは何度か遭遇したパターンです。
ちなみにミッションインポッシブル2の冒頭でトム・クルーズが行っていたのは(現実的にはあり得ないモーブを盛り込んだ)フリー・ソロです。
基本的には「フリークライミング」と言う括りの中に「ボルダリング」「リードクライミング」「トップロープクライミング」が存在し、これらはインドア(ジム)とアウトドア(外岩)で別競技と言える程性質が異なります。
ボルダリング(インドア)
フリークライミングの入門編。昨今はジムも増えたので各所で楽しむ事ができます。厚手のマットが敷いてある壁で落ちても問題のない高さ(3~4m程)を登ります。
必要なもの:
シューズ | クライミング専用のもの(レンタルあり) |
---|---|
チョーク | 滑り止め。液体と粉がありジムによっては禁止されているものもある(レンタルあり) |

ジムでは壁に固定された色とりどりのホールド(手掛かり)を使用して登りますが、どのホールドを使っても良いわけではなく課題毎に設定されたホールドのみを使用します。課題は色のついたテープの形で表現される事が多いです。赤の十字マーク課題を登る場合にはこのテープで指定されているホールドのみ使用可能です。
また課題によっては「手足限定」「足自由」と言ったものが存在します。
前者「手足限定」では手と足の両方を指定されたホールドのみを使用しますが、後者「足自由」では手のみ指定されたホールドを使用し、足はどのホールドを使用しても大丈夫です。(ただ足自由の場合は得てして手が悪い)。この辺りはジムによって異なるので要確認です。
課題の難易度(グレード)は日本では「級」と「段」で表現されます。10級が(あれば)一番簡単で1級が登れれば上級者と言えます。それ以降は初段、二段、三段…と人間離れした領域へと突入して行きます。海外ではグレードの表現が異なります。

スタートは指定のホールドを両手(左右で違うホールドが指定されている場合もある)で持ち、足がマットから離れた状態で行います。ゴールは指定のホールドを両手で保持して完遂です。この時片手しか触れていない場合や、両手で保持してすぐに落下した場合はゴールにはなりません。
初心者はホールドを使う事ばかりに意識が行ってしまうのですが、ホールドのない壁に手足を当てる事が可能です。これは結構重要な事で、意識するだけで大分違います。
基本的に一枚の壁に付き登れるのは一名。スタートが離れていてもゴール時に自分の挑戦している課題と合流してしまう可能性があるため、登る前にきちんと確認しましょう。それでもわからない場合には少し待ってから挑戦してください。
安全を第一に考えるのはどのスポーツでも共通ですね。
ボルダリング(アウトドア)
ジムではなく外岩で行うボルダリングですが、インドアと比べると危険度も敷居の高さもググッと上がります。
必要なもの:
シューズ | クライミング専用のもの(レンタルあり) |
---|---|
チョーク | 滑り止め。液体と粉がありジムによっては禁止されているものもある(レンタルあり) |
ブラシ | 岩についたチョークを落とす。登ったらきちんと掃除を |
クラッシュパッド | 落下時に怪我を防ぐ厚手のマット |
スポッター | 落下時にクライマーをマットへと誘導する補助をする役割の人 |

外岩ではジムのように課題の下にマットが引いてあるわけではないので、クラッシュパッドと言う厚手のマットが必要になります。更に地面が平坦である保証もなく、落下時のリスクが高いためスポッターによる補助が重要です。
スポッターはクライマーの落下を止めるのではなく、マットへと誘導するのが役割です。この辺りを理解していないと怪我人が増えるので注意しましょう。外岩ではホールドが欠ける等しての不意の落下もあり得ますので、油断は禁物です。
ちなみに自分がスポットに入っている時に女性が落下した事があります。きちんとマットへは誘導できたのですが、落下時に足をホールドに引っ掛けてしまい全治一ヶ月程の捻挫を負いました。とてつもない罪悪感でした…
さて、外岩ですが初挑戦時にはジムとの違いに呆然とするでしょう。

ホールドがわかりやすく突出しているわけでもなく、課題自体もわかりやすく色分けされていません。トポ(トポグラフィー)と呼ばれる情報(本など)を元にルートやグレードを確認してから挑戦します。グレード表記に関しては設定者の体感なので(気候にも左右されますし)当てにならない場合も多いです。ジムクライマーはグレード以上の難易度に感じるでしょう。
自分も初挑戦時には岩の質量に圧倒されたものです…
外岩では周囲のクライマーとの強調が大切です。他の方のマットを使用したり、スポットに入ってもらう事が多々ありますので、きちんと声を掛け合いましょう。
また自然の中にいると言う意識も大切です。ゴミの処理や自然破壊に気をつけて気持ちよく登りましょう。

上部のチョークはこんな感じで自作の長ブラシで落とします。