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小川山リード合宿二日目:カモシカサイドロック

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小川山合宿二日目。前日はクライミング中にもパラパラと雨が降っていましたが、この日は晴れ間が広がっていました。


後から合流する一名を駅まで迎えに行く&買い出しの必要があるため、移動組(昼以降からクライミングスタート)とクライミング組(朝からクライミングスタート)の2パーティに分かれます。自分はクライミング組(三名)に入れてもらいました。自分以外のお二方は熟練クライマーです。


向かった先は「カモシカサイドロック」です。途中登山客が二組通り過ぎただけで誰もいない静かな岩場(後から聞いたところによると玄人向けの場所のよう)でした。


「ポケットマントル」(5.10d)が目的でしたがトポを見るとその右の「発熱の街角」(5.10b)の説明に「ポケットマントルのウォームアップに最適」と書いてあったためまずはこちらから挑戦します。例に寄って自分は三番手です。


発熱の街角(5.10b)

が!中間部にてルートがわからず苦戦!本ルートと見られる右部はホールドが浅く、身体が持ち上がりません。左部はそれこそ(自分にとっては)決死と言えるムーブが要求されます。


そもそも初日同様にピン間が広いのでランナウト(確保支点をとらずに長い距離を登る)が多いのです。先輩方が途中ナッツとカムを入れてくれましたが、自分にはどうにもこれが信用できません…


レイバック

一周目で三人共敗退。二週目で自分は今合宿初のリードで挑戦しました。


ルート不明だった中間部は左側から決死のムーブ、数回テンションを貰いながらリーチも活かしてなんとか突破しました…したのですが、核心部先でクリップすると次のクリップまでは相当にランナウトします。途中ナッツが入っていましたが、曰く「あのナッツ、決まってはいるけれど岩が風化してるから落下すると保たないかもしれない。気休め程度に思って」と言う事なので緊張感がMAXでした。


カムがないと結構ランナウトしてしまう

終了点間際のレイバックは何気に外岩での初レイバックでした。深く持てますが指は引っかからないので力尽きると一気にすっぽ抜けてしまいそうです。念のためにとカムが入っていなかったら登る勇気はなかったかもしれません。なんとか終了点に辿り着きましたが、この二本で既に精神は摩耗していました。


そして本番の「ポケットマントル」(5.10d)は見た目にもピン間の遠い恐怖のルートです。グラウンドアップルート(下から登りながら支点を設置する方法で作られたルート。それ以外ではロープを上から垂らして懸垂下降しながら支点を設置する)だそうです。


ポケットマントル(5.10d)

1ピン目も遠いですが、2ピン目も遠い。もし2ピン目に行くまでに落ちたら1ピン目を支点にして悲惨な目に合ってしまう!なので初心者の自分はトップロープでの挑戦です。


中間下部にポケットマントルの由来であろう大きなポケットがあるのですが、これが第一の核心っぽいです。中々遠いのですが自分はリーチを活かしてあまり苦労せずに取れました。洗面器のように大量の水がジャブジャブと入っていたのでチョークが全部落ちてしまいましたが。


で、このポケットに手に足をするのですが、ポケットの上部がアンダーで持てないので少し大変でした。無理矢理足を引き上げて攻略です。


「ポケットマントル」と言う名前なのでこの辺りが核心なのだろうな!これを超えればなんとかなるんじゃないかな!と思っていました。甘かったです。そこからはマントルの連続。しかも薄カチで窮屈な体勢ばかり。上部でカチにヒールしての引き上げでは何度も落下して最終的にはクイックドローを掴んで上がってしまいました。


結局ゴール前でもルートがわからず極薄のクラックに敗退。頂上からの景色はなんとも苦いものとなってしまいました。1トライに掛かる時間は最低でも30分ほど掛かっていましたのでこの日は二課題で終了。片付けをしている最中に大雨が降り始めて急いで撤退しました。


別パーティは「ガマスラブ」に挑戦中に大雨に降られて土砂降りの中回収をしたそうです。


二日目の夜も先輩クライマーのテントにお邪魔をして大量のカレーをご馳走になりました。ポケットマントルの恐怖を先輩クライマーと共有しながら別パーティに話する事ができたのが嬉しかったです。面白い話も聞けました。


宴

ポケットマントルのボルトは現状新しいものが入っていますが、古いボルトもそのままになっています。これは最初のボルトを残しておく価値がある、残しておきたい、と言う理由からだそうです。


自分はスポーツクライミングを入り口としてこのクライミングを始めた初心者クライマーです。これまではただ登る事だけを目的にしてきました。しかし今回の合宿で先輩クライマー方から開拓者たちのお話を聞き、実際にそれらの課題を登る事で歴史の重みを感じました。まだスポーツクライミングと言う言葉がなかった時代、まだクライミングが「冒険」だった時代を登ってきた方々と一緒に登れるのはこの上ない誉れです。


いつしか自分の登りにも重みが出るよう、一歩一歩頑張って行きたいです。

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