自分が最初にフリークライミングの存在を知ったのは「岳」と言う漫画が切欠でした。3巻（調べたら発刊はもう10年くらい前）だったと思います。サラリーマンが主人公の三歩に出会いクライミングジムに立ち寄る話ですね。なんとなくそれで興味を持って、今に至るまでクライミングを続けているのですから自分の人生は「岳」の影響を多分に受けていると言えます。

クライミングに夢中になっていた絶頂期に様々な書籍を漁り、その中に「岳」以外の漫画も含まれていました。フリークライミングを主題にしているものは少なく、アルパインクライミングの要素を含むものも多いのですが、折角なので少しまとめておきます。

「岳」（全18巻）

一時、登山・クライミングブームを巻き起こした名作。山岳救助が題材となっているので人の生死に関わる話が多いです。件のフリークライミングについてはそこまで描写はありませんが面白さは折り紙付きです。映画化もされましたが、どうしても漫画の島崎三歩が偉大過ぎて印象は薄いです。

「孤高の人」（全17巻）

実在の登山家、加藤文太郎がモデルになっており同名の小説も存在するのですが漫画は別物です。主人公がフリークライミングと出会った当初は部活に参加したりコンペに参加したりとスポーツ漫画的要素が多かったのですが、途中から複雑な人間模様や精神描写が多くなります。漫画をライトに楽しむには不向きかもしれません。

「オンサイト！」（全2巻）

フリークライミングを主題とした漫画です。フリークライミングの面白さを伝える漫画と言うよりは、主人公を取り巻く環境、人間模様を描いた漫画なのでフリークライミングに興味がない方でも楽しめる内容だと思います。

「ヤマノススメ」（1〜9巻　続刊中）

登山で萌え漫画？！少女達が登山をする漫画。聖地巡礼と称してこれまで登山とは無縁だった層を引き込んだアルテマウェポン。初心者目線なので登山を知らない人でも楽しめます。一部腑に落ちないのはボルダリングジムへ訪れる描写で、主人公が登っている真横を友人が登っているシーンです。危ないからダメ！絶対！

「登る小寺さん」（1巻　続刊中）

ボルダリングを主題とした漫画ですが、カテゴリ分けをするなら日常系です。女子高生の小寺さんがボルダリングをする日常が淡々と描かれています。技術的な描写は少ないですが、総じて寿命の短いクライミング漫画（その上主人公が可愛い）なので長続きして欲しいものです。

「オーバーハング！」

こちらはフリークライミングを主題としたWeb漫画。ある意味ここに挙げたものの中で一番漫画と言う感じです。フリークライミングを主題にするとどうしても人間模様だったり精神描写が多くなり、技術的な描写は地味になりがちですが、その辺りを漫画的演出で盛り上げています。内容は中学一年生の少年がクライミングと出会い熱中すると言うスポーツ物の王道です。垂壁を足だけで登ったり「教えていないのにハイステップを？！」なんて言うシーンを見るとちょっとあれですが。

WEB漫画はこちら

「PEAK」（全2巻）

読んでいないので内容はわかりませんが、フリークライミング主題の漫画のようです。

「レッドポイント」（全3巻）

こちらも読んでいないので内容は不明。既に「オンサイト！」があるからこのタイトルになったのかな…？

フリークライミングはバスケやサッカー等のメジャースポーツに比べると馴染みがないので、傍から見ていると簡単そうに見えるようです。実際に登るとそんな事は全然ないのですが。なので、漫画でその迫力や魅力を表現するのってとてつもなく難しい事なのだと思います。今後もっと面白いクライミング漫画が増えたら嬉しいなぁと思います。（かと言ってメジャースポーツになって欲しいと言う訳じゃないんですけど）